真面目なやんちゃ人間学 ④
次のやんちゃ話は、子供の頃に住んでいた近所にそこそこの大きさの池が二つありました。その池には友達とザリガニ捕りや魚を釣ったり、よく遊びに出掛けたものでした。その日も友達といつもの池にザリガニ捕りにいきました。今日は反対側のコンクリート塀の所に行ってみようと、二人で向かいましたがそこは危ないので立ち入り禁止になっていました。
いつも言いますが、ダメといわれるとなにがなんでも行きたがる性分なので、鉄柵を乗り越えて約1m50cm位の高さがある壁と、人工的に作られた幅が50センチ位のコンクリートの通路みたいなものがありその横はすり鉢状の池です。そして、その壁の上は今で言うJRが走っています。その線路に上がり、レールに耳をあててどのくらいで列車がくるのかを考えながら1円玉や10円玉をレールの上に置いて列車が通過するのを待ちます。
来た来た!と危ないので50cmの幅の通路に伏せて列車が通過するまで身をひそめているのです。その列車が通過する時の“ゴォーッ”と鳴る轟音たるものは半端ではなくすさまじいものでした。今から思えばものすごいことをしていたなと身の毛もよだちます。そして、通過した後に残された1円玉や10円玉を見に行きます。なんと!ぺっちゃんこに潰れて大きさも3倍くらいになっています。
これを大事に持ちかえり親に見せたら、また叱られるのでこそっと家の宝物箱にしまっておこうとポケットに入れて持ち帰ることにしました。そしてその後は、その50cmの幅の通路からザリガニ捕りをしていたら一緒に遊んでいる友達のお兄ちゃんが“なにしてん?”と僕らより体の大きいお兄ちゃんがその幅の狭いところをスリスリと池に落ちないように気をつけながらこちらにくるではありませんか、僕らはザリガニを捕ってんねんと返答をしました。
ここで申し上げておきますが、ザリガニの捕獲は指にタコ糸を巻いて餌は干しするめの足をくくりつけて、ザリガニが引っ張るのを指で感じ取りながらゆっくり引き上げて捕るのです。そうしたらそのお兄ちゃんが僕にもやらせてくれ!と言うのでいややなぁ~と思いながらもお兄ちゃんなのでさせてあげようとした時です。
“ザッブ~ン”と大きい音と水しぶきをあげてお兄ちゃんが頭からもろに池に落ちていきました。僕はびっくりしてなにが起きたんだろうと横にいた弟の友達に聞くとその友達はその様子を一部始終みていたようでそれを聞いて大笑いでした。お兄ちゃんは僕らが釣り上げた空き缶に入れてあるザリガニを見ようと腰をかがめた時に後ろの壁に自分のお尻があたりその拍子に前につんのめって落ちたのです。図解参照してください。
そこでお兄ちゃんをみると、立ち泳ぎをしながら必死に泳いでいるので僕らはザリガニ捕りのタコ糸をお兄ちゃんに投げて引っ張り上げようとしました。その時のお兄ちゃんの言葉が“おれはザリガニか!”と言って怒っていました。最後は自分で岸によじ登り事なきを得ましたが、帰ってから僕の友達は腹いせでこっぴどく怒られたと言っていました。
今では楽しい思い出です。(笑)ステージ④ 完