見送る者の辛さの中に思うこと

2019年も早や4月になりました。今年も新しい期を迎えまた元号も令和と改まり新しい国づくりに期待しておるところでしたが我社で30年強努めていた同志ともいえる社員が亡くなりました。享年64歳でした。最後は癌に侵され病院に行ったときには最終のステージ4でした。彼とは若いときに死ぬほど共に働き今の会社の礎を築いた仲間でした。

 

近年の彼は”昔は良かったです”が口癖であの頃は何もかも仕事が最優先で皆と共に苦労して笑ったり怒ったりしながら心の繋がりがあり生きている実感がありましたとよく言ってました。そんな大変な中でも病気になったり精神が病んだりするものは誰一人いてませんでした。今の時代は朝まで働くとか夜中まで現場で作業するなどありえない時代になりましたが昔のようなきつい労働の中には人間として大事なものがあったと思います。それは心を鍛えるということです。もうダメかもと思うときがあっても最後まで踏ん張り峠を越えれば俺もできるんだ!と自信と根性が付くわけです。

 

それが次ぎに向かう活力になってまた1つ成長するのです。今の時代平々凡々と育った子は理屈で育っているので辛いことや嫌な事があってもそこで踏ん張り我慢するということはあまりありません。それと収入の良いところにすぐ魅力を感じ転職を考えます。今の時代それが悪いと言いませんがそのような連中を見ていても幸せそうな顔は誰もしてません。幸せと感じるのは心が満たされている状態なのですがそれが無いのです。次々と欲求が沸いてきてそこにいけない今の自分の境遇がおかしいと思いまた転職を考えて人生の漂流者になるのです。

 

先人たちで本当の意味で人間として成功(金持ちになったという意味ではありません)なさった方は人の何倍もの苦労と辛酸をなめてこられた人です。そこで初めて人としての本来あるべき姿が解るのです。お金は生きていくのに必要であって真っ先に重要ではありません。そのことを今の子達や親御さんに教えてあげないとダメなのではないでしょうか、古きを尋ねて新しきを知るです。

 

今の教育や制度もまたおかしいです。今月から企業は従業員に5日有給休暇を強制でとらせないと企業にはペナルティーを科せられます。未だ中国では996という働き方です。朝9時から夜9時まで週6日働くと言うことです。この国は働く事が最大の資源です。アラブ諸国のように石油がじゃんじゃん湧き出ているのならともかく、何も資源の無い日本はどこの国よりもよく働き頭を使ってきたので経済大国第2位(今は3位ですが)になったのです。このままではほんとうにこの国は国家存亡の危機です。我社の若い者には不変的な正しい精神論は教えつつ今の時代にあったまともな考え方で納得して日々幸せを感じとり生きていけるように心を鍛えて成長させていきます。

2019年年初に思うこと

皆さん新年明けましておめでとうございます。昨年は大阪には6月に大阪北部地震や9月に台風21号の被害など日本列島全体でも自然災害の多い1年でした。また今年5月には新しい天皇の誕生で2019年は元号も変わります。平成の最後の年で世界の経済や政治は混沌とした局面に入りましたが新しい年ではそのような閉塞感漂ういやなムードも払拭し元気に勢いよく良い方向に前進していく年になるように願うばかりです。

 

さて今回は“徳”について少し書きますが平成の時代の世の中はあまり良くないことばかりだったような気がします。バブルの崩壊、長引く不況感のデフレ、オウム真理教サリン事件、阪神淡路大震災、東日本大震災や御嶽山の火山噴火や昨年の大阪北部地震や北海道地震に西日本豪雨に大型台風の襲来など大災害の多い30年でした。そしてアメリカを始めとした世界経済の減速や混迷する政局、衰退していく倫理観や教育、これはこの平成という時代に“徳”がないのではないかと考えてしまいます。

 

昔ならとっくに元号を変えていたと思いますね、話を人の問題に置き換えますとアメリカで家計調査報告書というのがあり、その記録のなかでこのような事があるのです。ジュークという人は1720年ニューヨーク州で生まれましたがその性格は怠惰で粗暴の無頼漢であった。1877年の調査では彼の家計は六代を経る中で1200人の子孫がありその生い立ちは怠け者、背徳漢、貧弱、病弱、知的障害、精神障害、犯罪者が生まれた。この間300人が嬰児期に死亡、440人が病的行為で肉体的に破滅、前科者は130人で60人が窃盗、7人が殺人、手に職をつけたのは僅か20人だった。

 

ジュークと同年代に生まれたJ.エドワードは代表的な清教徒で神学者。1900年に彼の家計は1394人を数えた。その内3人が大学総長、65人が大学教授、100人以上が牧師や神学者、75人が陸海軍将校、法律家は100人以上、公職についた80人の中には副大統領が一人、上院議員が3人、他に知事、下院議員、市長、公使、15の鉄道、多数の銀行、保険会社、産業会社などがこの家計の人々によって運営されていたという記事です。このことを見ると一人の人間の“徳”がいかに将来大きな影響を及ぼすか、私たちは肝に銘じなければならないと思います。過去は変えられませんが未来は変えられるのです。自分の先祖にどんな方がおられようと自分が“徳”を作れば子孫は恩恵を受けて繁栄するのです。

 

人間に生まれてくること自体が“徳”を持っていることなのです。それを耕すのも枯れさせるのも己の心がけひとつです。まずは明るく清く、人を愛する事を忘れず、すべてものに善をもって尽くし、感謝をして誠実、正直、勤勉に生きる。

ではどうして“徳”を作るか

  1. 熱意 (自分を磨き、人の役に立ち、良識ある人間になろうとする熱意)
  2. 知識 (いくら熱意があっても知識を磨ない者は成長する事ができない)
  3. 場を生かす (与えられた場所でベストを尽くす)   

  

最後に“倹を以って徳を養う”という言葉がありますが倹とは単に無駄遣いをしないということではなく慎むということでもあります。傲慢こそは“徳”を損なう最大のものであると私たちは忘れてはならないのです。我々も今日から気持ちを新たにして“徳”を積むように努力をしましょう

 

会社のトップも同じです。日々自己研鑽に励み、誰よりも周りの人々や環境に気を配り己の徳を積むことです。天は見てござる。です。会社に運が向くのもトップの心がけでしょう。トップが己の徳を積むことで商いの女神は微笑んでくれるのです。会社のナンバー2ではダメなのです。ナンバー1が率先して社会のために人のために小さい事でも続けるのがその会社が継続して繁栄して行く道と確信しています。

生涯の旅路   坂村 真民

私は私の一生の旅路において

今日というこの道を再び通ることはない

二度と通らぬ今日というこの道

どうしてうかうか通ってなろう

笑って通ろう歌って過ごそう

二度と通らぬ今日という道

嘲笑(あざわらい)されてそこで反省するのだよ

叱られてそこで賢くなるのだよ

叩かれてそこで強くなるのだよ

一輪の花でさえ風雨をしのいでこそ

美しく咲いて薫るのだ

侮辱されても笑ってうけ流せ

蹴倒(けたお)されても歯をくいしばって忍べ

苦しいだろうくやしいだろう

しかし君、この道は尊いといわれた人たちが

必ず一度は通った道なんだ